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喫煙の健康に対する影響 |
| 急性の影響タバコ煙粒子に含まれる「ニコチン」と、 ガスに含まれる「一酸化炭素」が、 急性の影響を及ぼす。 ニコチンでは、中枢神経系の興奮、心拍数の増加、血圧の上昇、末梢血管の 収縮などの作用が見られる。精神神経作用には促進と抑制がみられ、 知的作業能率は、上昇するという報告と低下するという相反する報告が見られる。 一酸化炭素は、ヘモグロビンと強力に結合し、組織への酸素運搬を阻害する。 癌との関係疫学的研究によると、肺癌をはじめ、口腔癌、喉頭癌、食道癌、胃癌、膵臓癌、 肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、子宮癌などのリスクが喫煙で増大する。 男性の肺癌の約70%が喫煙によって引き起こされていると推計されている。 循環器疾患との関係虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)の3大危険因子は、 喫煙、高血圧、高コレステロール血症である。 脳卒中に関しては、喫煙の影響があるという報告と、ないという報告があり 評価が定まらない。 欧米の女性での研究では、経口避妊薬と喫煙の相乗効果で、虚血性心疾患と クモ膜下出血のリスクが増大するという報告がある。 呼吸器疾患との関係喫煙は、肺癌、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫など肺機能の低下を 起こしうる疾患)、自然気胸の発症・進展に関与する。 石綿(アスベスト)暴露による肺病変の発生も促進する。 消化器疾患との関係胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性萎縮性胃炎、肝硬変、クローン病、口腔粘膜の 角化・色素沈着などが喫煙と関連する。 逆に潰瘍性大腸炎は喫煙によりリスクが低下するという報告もある。 神経・感覚器疾患との関係脳の萎縮、聴力障害が喫煙と関係する。 パーキンソン病とアルツハイマー病に関しては、喫煙者の方が罹りにくいという 報告もあるが、逆の報告もある。 妊娠中の喫煙の影響喫煙妊婦では胎児の成長阻害、低体重児の出産、早産、周産期(出産の前後)の 死亡、妊娠合併症の頻度が高い。 受動喫煙でも低体重児の出産のリスクが増大する可能性があるといわれている。 出産後、授乳中の女性の喫煙により、ニコチンが母乳中に移行して、新生児が ニコチン中毒を起こした事例もある。 その他の疾病骨粗鬆症、体液性免疫の低下、老化の促進などが喫煙の影響で起こる。 未成年、青少年の喫煙成人後に喫煙を開始した場合よりも癌や心臓病などのリスクがより高くなる。 肺機能の低下もより起こしやすい。 急性の影響としては、咳、痰、運動時の息切れなどが見られる。 受動喫煙家庭や職場における受動喫煙により、肺癌、肺機能の低下、虚血性心疾患 (心筋梗塞、狭心症など)のリスクが増大することが報告されている。 小児では家族とくに両親が喫煙者の場合、喘息や気管支炎などの、呼吸器系の 疾患に罹患する率が高くなる。 低タール・低ニコチンのタバコについて 低タール・低ニコチンのタバコでは、健康への影響はある程度軽減されるが、 非喫煙者に比べれば、肺癌、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫など 肺機能の低下を起こしうる疾患)、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)の リスクは依然として高いものである。 厚生省編「喫煙と健康・喫煙と健康問題に関する報告書」第2版 財団法人健康体力作り事業財団発行、1993 23〜25ページ、要約より抜粋 |